紙製の文献や資料は、様々な要因によってその寿命を縮めていきます。
その一つとして挙げられるのが『紙の酸性化』そしてその『劣化』です。
そんな文献資料の寿命を延ばすべく
弊社では、BK(ブックキーパー)法を用い、手作業で行う『少量脱酸』にも取り組んでおります。
BK法のメリットとしましては
紙の黄変がなく、人体にも無害であるということが挙げられます。
その為、弊社では主にBK法に注力し、かつ比較的短納期にてご提供いたします。
紙の酸性化の原因
諸説ありますが、酸性化の主な理由として
以下が挙げられます。
・インクの滲み止め剤が化学反応で発生した硫酸によるもの
・原料に使われているパルプが低品質であるため
・接していた紙や素材から酸が移行してしまったもの
・大気汚染物質によるもの
酸性紙の劣化が進むと、
最後は触っただけでポロポロと崩れてしまうように・・・。
本としての機能を果たせないのはもちろん
修理をしたとしても、その後の耐久度には難が残ります。
そうなる前に有効なのが『 脱 酸 』という処理技法。
脱酸
アルカリ性の脱酸素剤で酸性をやわらげ、
さらに紙の内部にアルカリ性の粒子を残留させることで、その後の酸性化も防ぎます。
失われた紙の強度を回復するものではありませんが、
劣化を食い止める・食い止め続ける効果には非常に大きなものがあります。
貴重な資料や思い出を、そのままの形で少しでも長く残したい・・・
思い立ったが吉日です。
ぜひ一度、弊社に『脱酸』及び『修理』をご相談ください。
上が脱酸前、下が脱酸後
弊社の所感ではございますが
処理前後でしなやかさに違いがありました。
酸性化及びその改善のチェック
pH値検査ペンにて処理前後の酸性度をチェックします。
pH5.5~6.0 黄色
pH6.0~6.8 黄色と紫の中間色
pH6.8以上 紫色
インクは透明に近くなり、酸性を示します。
上記ではわかりやすくするため多めに線を引いていますが、
実際にはツン、と乗せる程度でチェックが可能です。
染色されてしまうため、紙の目立たない部分
あるいは用意した別紙にて行う必要があります。
+αとして・・・中性紙保存箱
脱酸・修理が完了した本や書類は
中性紙保存箱の中で保管されることをおすすめします。
紙から出る酸性ガスを吸着したり、湿度を一定に保つ効果があり
資料保存には最適と言えます。
こちらも弊社より、各種容器のご案内が可能です。
お気軽にお声掛け下さいませ。